労働時間と能力の関係の先に見える競争力
働き方改革の文脈の中で残業は規制すべきとの論調がありますが、
健康を害さないレベルでは労働時間を増やすことのメリットについても考慮すべきでしょう。
結局は投入時間がモノを言う
人間の能力の成長を式で表してみましょう。
成長=成長効率×時間の投入量
成長を最大化しようと思ったら 成長効率と投入時間の双方を最大化しなければならないことが分かります。
労働者は隣の労働者と競争する
成長効率が悪い人との競争であれば投入時間が少なくても、
少ない時間で効率よく働けば勝負できるかもしれません。
しかし、残念ながら、効率よく大量に働く人がこの社会には多く存在します。
この効率よく大量に働く人々の競争の中では時間を減らすことは命取りになります。
個人での対策:つらければ住む世界を変えればいい
方向性は2つが考えられます。
個々の高い能力が求められない世界で働く
すべての職種・業界において高い能力がある人をもてはやすわけではありません。
決められたことをしっかりやっていけば、十分に認められる世界もあります。
定型化された業務の世界では抜きに出ることは必ずしも求められておらず、
このような労働環境では過当な競争は生まれません
能力で評価されるが、競合が少ない世界で働く
競争相手がいない世界で働けば競争原理が働きづらいです。
すたれたプログラミング言語の専門家で古いシステム改修の案件を引き受けるプログラマ
ごくごく少数の人にしか伝承されていない技術を持っている刀の砥ぎ師 など
ニッチな世界で限りなく競合が少ない世界では競争も過当にはなりません。
ただし、目の付け所と入り込み方はかなり工夫があります。
二極化の構造
ここで見えてくるのは結局
競争のない世界できっちり目の前の仕事をこなしていく人
と
競争のあるチャレンジングな世界で働く人
の2極のいずれかを選択することになると思います。
そして、競争のある世界で働く人にはそれなりの時間投入量が求められることになるのです。
国家の競争力を維持できる働き方改革を
国家として一律に労働時間を規制しようとすると日本人の相対的な仕事の能力低下を招きかねません。
経済をけん引する圧倒的に働く人と
その人々についていく、競争のきつくない世界で着実仕事をしていく人を二極化させて
全体として国家の競争力を保つことが重用であると考えています。