合唱団を作りたい!合唱団をうまく運営したい!合唱団運営のノウハウまとめ
合唱団を運営するためのノウハウはこれまで十分に共有されてこなかったこともあり、
ここである程度体系化してお伝えできたらと思います。
合唱団の運営といっても組織運営という観点では学校や会社など、
他の組織の運営と大きな違いはありません。
大切なことは集まったメンバーの能力を最大限に活かしつつ
音楽の知見を効率よく取り入れながら、
目標へ少しずつ近づけていくことです。
ここではセクションに分けて説明していきますね。
合唱団の設立について
コンセプトの設定
合唱団を作るときに何よりも大切なのはコンセプトです。
実際にはコンセプトを掲げずに立ち上がる合唱団は多いのですが、
後々大きな火種となりかねません。(方向性の違いのトラブルについて)
- 中世の楽曲を研究する合唱サークル
- 現代の日本の合唱を歌って楽しむサークル
- 世界制覇を目指すセミプロ集団
コンセプトは途中で変えていくことも可能です。
ただし、その時点でこの方向にしたい ということは明文化しておくようにしましょう
合唱団のルールを作る
合唱団の規約 まではいかなくてもよいので、
必ずルールを作っておくようにしましょう。
コンセプトの設定に大きく影響を受ける部分になりますが、
必ず下記の部分は明文化しておくことが望ましいです。
◆団費と演奏会における費用の徴収について
お金に関わる部分がもっとも揉めるポイントです。団員それぞれで経済状態も違うので、同じ金額の徴収でも個々の反応は大きく変わってくる場合があります。あらかじめルールとして決めておいたほうが安全な部分です。
◆演奏会に出演するときの練習出席に関するルール
ほとんど練習に参加していないのも関わらず本番だけ参加したがる人がいる・・・などは問題になりがちです。実際は練習回数が少なくても歌える人というのはいるのですが、不公平感を感じる人も少なくはありません。最終的な参加の可否については音楽監督の判断にゆだねる なども一つの方法です。
体制を構築する
合唱団として運営するために必要なポストを決めます。
一般的には下記の役職が必要です。
仲良く音楽を楽しむためには役職はなく、全員が平等に意見を言えるように・・・と
フラット型の団体を作り上げたがる場合がありますが、
いかんせん協調を主体とする合唱という分野においては
ある程度トップダウン型にまとめたほうがトラブルは少ないことでしょう。
◆運営
団長 団を運営面から取りまとめる代表。
副団長 団を運営面からまとめ、代表を補佐するポジション。
会計 団の収支を取りまとめる役割。団費の徴収からホールや練習会場での支払いなどを行う。
◆音楽
音楽指導者(指揮者) 音楽面の総監督。音楽の専門性がある人物が望ましい。練習計画を担当する場合もある
ボイストレーナー 発声を専門に指導する専門家。一般的には声楽家に依頼することが多い
パートリーダー 各パートを取りまとめるリーダー。パートリーダーの中の筆頭を決めることもある。
ライブラリアン 楽譜の管理を行う
特に円滑な運営と品質を高めることを求めるのであれば、
質の高い専門家を呼んでくることが重用であるといえます。
組織作りは合唱団の将来を決めるポイントですので、
妥協をせずに進めてくださいね。
団員を募集する
とはいえ、重要なのは団員の人数を揃えることです。
一気に増やすことは難しいので、徐々に増やしていく・・・という形になる場合が多いです。
初期メンバーと途中加入のメンバーとの間でのGAPが大きくなりすぎないように
オープンな団風にすることが人数を増やすうえで重要です。
合唱団は「動的平衡」が基本です。
入ってくる人もいればやめていく人も一定数存在するのです。
しかし、できるだけ安定的に運営していくためには
出ていく人数を制御できるようにしていくことが肝要です。
生活環境が変わるときに合唱団に通い続けられなくなってやめる場合が
多いので、状況が変わっても通いやすい合唱団作りが大切です。
- 欠席しても変更点や練習内容をキャッチアップできる練習録を用意する(練習録について)
- 練習に参加できない時期があっても戻ってきやすい継続的なコミュニケーションの機会を作る(声掛け)
- SNSを利用したコミュニケーション
合唱団の運営について
合唱団を無事設立できたら安定的に運営することを意識しましょう。
目標を定期的にアップデートする
短期間の目標、中長期の目標など皆がワクワクする目標を設定するとモチベーションアップにつながります。
短期の目標を好む人と、中長期で大きなテーマを掲げるほうがワクワクする人、
それぞれいるので、合唱団の雰囲気を読み取りながらうまく設定し、適宜アップデートしていきましょう。
短期目標
- 半年後のコンクールで金賞を取る!
- 地域の音楽祭で聴衆賞を取る!
長期目標
- 3年以内に海外公演実現!
- 5年後にザルツブルク音楽祭に出演!
団員個々人のケアをする
合唱団への気持ちが離れている人。
言いたいことが言えていない人がいたとしたら、早めのケアが必要です。
合唱を好む人の中には 誰かと一緒でないと行動的ない 自信のない人が含まれているのは事実です
言いたいことがあれば言えばいい というマネジメントスタイルはそもそも
合唱団運営に向かない場合がありますので、個々の意見を自ら引き出す姿勢で周囲と接することが
必要になる場合があります。
演奏会に出演する
演奏会への出演は合唱団運営においてもっとも肝要な部分であるといえます。
演奏会にでることで得られる効果は次のようなものがあります。
- 合唱団全体のモチベーションアップ
- 新規団員獲得のチャンス
- 合唱団員の家族の理解度向上
合唱団への参加動機のなかには演奏会を見て面白そうだったから・・・
というものは意外にも多いものです。
できるだけ露出して認知度を向上していきたいものですね
演奏会で客席を埋めるためには?
演奏会での集客は大きな課題です。
特にプロレベルの演奏ができる場合や全国大会優勝などの経歴がある場合を除いて集客に苦労することは
容易に想像がつきます。そこで客席を埋めるためには次の数式を意識することが大切になります。
集客力=出演者の人数×出演者一人当たりの集客力+合唱団の集客力
合唱団の集客力を上げるには途方もない苦労が必要になる・・・
かといって、出演者一人一人の集客力を上げることも非常に難しい。
だとすると、出演者を増やすのが一番良いテクニックとなります。
ではどうやって出演者を増やすのか・・・
大きく分けて二つの方法があります。
①個人をエキストラ参加させる
合唱好きな個人をエキストラ参加させる方法です。
ただし、あまり出番が少ないとお客さんを呼んでくれないので注意が必要です。
②他の団体と共同開催する
もっとも簡単に集客を実現する方法です。
大学のサークルが共同開催しているのは集客面がもっとも大きな動機であるといえるでしょう。
まとめ
合唱団運営のポイントをざっくりいうと下記のとおりです。
- コンセプトを決めて、ルールを決めて明文化する
- 人を集めて役割を決める
- 人のメンテナンスを大事にしながら目標を少しずつクリアしていく
運営は決して楽なことではありませんが、仲間で集まって一緒に歌を歌える時間は貴重です。
是非興味をお持ちの方はトライしてみてください。
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