音大生の人材価値って? 音大卒の武器とは何かを再考する
私の所属するLuceとピティナさんとのお仕事でもお世話になる大内氏が書かれた音大卒は武器なるを踏まえて
もう少し具体的にどのような部分がどのように生かせるのか、書いてみようかと思います。
音大卒は武器になる とは?
2015年に発売された書籍で、音大生のキャリア本の中で最も知名度があるといっても過言でない本です。
同書ではコミュニケーション力や集中力の高さなどを指摘しています。
「音大卒」は武器になる 単行本 – 2015/1/22
大内 孝夫 (著), 武蔵野音楽大学(協力) (その他)
音大卒は企業の業務でどのような力を発揮しうるのか
東京芸大を卒業後、経営コンサルとして勤務してきたニワが、音大生の能力がどのように業務に活かされるのかを集中力やコミュニケーション能力、以外の面で挙げていきます。
ゴールから逆引きで考える力がある(70%)
まず、音大生はほぼ毎週、担当教員のレッスンを1対1で受けています。当然準備が不十分であれば叱責を受けることになるのです。1週間の間に曲を仕上げてレッスンに持っていくわけですが、この過程では必ずゴールから逆引きする発想が必要になります。
1週間後のレッスンまでに曲を仕上げるには
- いつまでに曲を通して演奏できるようにするのか
- 曲を通せるようにするためにいつまでに部分練習を終わらせるのか
- 部分練習はどのくらいのペースで進めたら目標期日に間に合うのか・・
このように逆算の思考なくしては無事にレッスンを迎えることすらできません 笑
さらに、コンサートともなれば、もっと大きな単位で逆算をしているはずなのです。
業務の中ですぐに生かせるかはわかりませんが、逆引きの思考を使っていることは事実なのです。
実はPDCAサイクルを回すのが得意(50%)
日夜強い意志もって向上を目指している音大生は練習中もPDCAサイクルを回しているといえます。
このフレーズをもっとスムーズにかつ正確に演奏できるようにしよう(Plan)
実際に反復練習を行う(Do)
できるようになったかを確認する(Check)
できないとしたら何が問題だったかを確認する(Action)
これは練習の一場面を想定したシーンですが、
コンサートの企画でもPDCAを回しているのではないでしょうか
次回のコンサートでは満席を目指したい(Plan)
実際にコンサートを開催(Do)
7割程度しか集客ができなかった(Check)
次に満席を目指すためにもっとファンを増やす活動していこう(Action)
このように日夜PDCAサイクルを回しているはずなのです。
ただし、これも他の仕事の時に同様にできるようにするには訓練が必要です。
一般社会から見ると意識高い系。学習意欲が高い(90%)
ほぼすべての音大生が高い成長意欲を持っていると言って間違いないでしょう。
そもそも、毎週教授と1対1で自分のアウトプットに対するフィードバックをもらうこと自体、異常なまでにストイックな行為です
また、1万円/h以上のレッスンを受けていることも多くあり、自己投資への抵抗感がないのも特徴であるといえます
自分の考えを持つことが当たり前になっている(50%)
多くの音大生が人前で自分の演奏観や音楽観を持っています。
演奏のみならず、社会問題や仕事への関心も高い水準で持っている場合も散見されます。
舞台経験から堂々と人にそれを伝えることができる場合が多いので、
その魅力が人に伝わりやすいものひとつの武器であるといえるでしょう。
音大卒を武器にするために
音大出の経験は必ず業務に生きてくる内容であると考えられます。
一方でやってきたことを整理し、意識的に仕事にいかそうとしていかないと、通用しないのも事実であるといえます。
自分を含め音大生の方には自分のやってきたことに自信を持ちつつ、
うまくそれを生かしていこうという意識を持っていただければと思っています。